亜鉛とは?身体の中でどんな働きをしているの?不足のサインも解説

2026年09月19日

「亜鉛が身体にいいと聞くけれど、何に必要なの?」

「疲れやすいのは亜鉛不足?」

「サプリメントで摂った方がいい?」

患者さんと栄養についてお話ししていると、亜鉛について質問されることがあります。

亜鉛は、身体の中に大量に存在する栄養素ではありません。

しかし、私たちが健康な身体を維持していくために欠かすことのできない必須ミネラルの一つです。

味覚、皮膚、免疫、生殖、成長など、実にさまざまな身体の働きに関係しています。

私は26年間臨床に携わってきましたが、身体について学べば学ぶほど、

「筋肉や関節だけを整えればいいわけではない」

と感じます。

身体をつくる材料が不足していないか。

きちんと眠れているか。

身体を動かしているか。

こうしたことも、その人の健康を考えるうえでは大切です。

今回は、そんな栄養素の一つである「亜鉛」について、できるだけ分かりやすくお話しします。

そもそも「亜鉛」とは?

亜鉛は、鉄やカルシウム、マグネシウムなどと同じミネラルの仲間です。

人間の身体の中では作ることができないため、食事などから摂取する必要があります。

そして亜鉛の大きな特徴が、身体の非常に多くの酵素やタンパク質の働きに関係していることです。

酵素という言葉は少し難しく感じるかもしれません。

簡単にいうと、食べたものを利用したり、新しい細胞をつくったりするなど、身体の中でさまざまな反応を進めるために必要な存在です。

亜鉛は、そうした身体の基本的な仕組みを支えるミネラルなのです。

亜鉛は身体の中で何をしているの?

「亜鉛=味覚」というイメージを持っている方もいると思います。

確かに味覚は重要ですが、それだけではありません。

① 味覚を正常に保つ

舌には、味を感じる「味蕾(みらい)」という器官があります。

味蕾の細胞は入れ替わりが比較的活発で、その維持に亜鉛が関係しています。

そのため、亜鉛欠乏では味を感じにくい・味がおかしく感じるなどの味覚障害がみられることがあります。

ただし、味覚障害の原因は亜鉛だけではありません。

② 皮膚や粘膜の健康を支える

私たちの皮膚や粘膜は、一度つくられたら終わりではなく、常に新しい細胞へ入れ替わっています。

亜鉛はタンパク質合成や細胞の働きに関係するため、皮膚や粘膜の健康維持にも重要です。

亜鉛欠乏症では、皮膚炎などがみられることがあります。日本臨床栄養学会も2024年版の「亜鉛欠乏症の診療指針」を公表しています。

③ 身体の成長に関係する

亜鉛は細胞分裂やタンパク質の合成などにも関係しています。

そのため、特に成長期の子どもにとって重要な栄養素です。

「大人だけが健康のために摂るサプリメント」というものではなく、人間が成長し、身体を維持していくために必要な基本的な栄養素と考える方がよいでしょう。

④ 免疫機能を支える

亜鉛は免疫系の正常な働きにも関係しています。

ただし、

「亜鉛をたくさん摂れば免疫力がどんどん上がる」

という意味ではありません。

必要量を満たすことと、必要以上に大量摂取することは別の話です。

⑤ 生殖機能などにも関係する

亜鉛はDNAやタンパク質の合成などを通じて、生殖機能を含むさまざまな生理機能にも関係しています。

このように見ると、

亜鉛は何か一つの症状だけに働く栄養素ではなく、身体をつくり、維持する基本的な仕組みに広く関わっている

ことが分かります。

亜鉛が不足するとどうなる?

亜鉛が不足した場合には、

味覚障害、皮膚炎、食欲低下、脱毛、成長障害など、さまざまな症状が現れることがあります。

一方で注意していただきたいのが、

「疲れる=亜鉛不足」
「抜け毛=亜鉛不足」
「肌荒れ=亜鉛不足」

と決めつけないことです。

例えば疲労感一つをとっても、睡眠不足、貧血、ストレス、食事量、疾患など多くの要因が考えられます。

ここは、私たちが普段患者さんの身体を見るときにも大切にしているところです。

一つの症状だけを見て、一つの原因に決めつけない。

栄養についても同じです。

亜鉛は何から摂れる?

亜鉛を多く含む代表的な食品としてよく知られているのが牡蠣です。

そのほかにも、肉類、魚介類、卵、乳製品など、さまざまな食品から摂取できます。

大切なのは、

「亜鉛のためにこれだけを食べる」

というより、さまざまな食品を組み合わせて食べることです。

特定の食品やサプリメントだけに頼るのではなく、普段の食事全体を見直してみることから始めてみましょう。

亜鉛は1日にどのくらい必要?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の亜鉛の推奨量は年齢によって異なります。

例えば30〜49歳では、

男性9.5mg/日
女性8.0mg/日

が推奨量です。

一方、耐容上限量は同年代で男性45mg/日、女性35mg/日とされています。年齢や妊娠・授乳などによって基準は変わります。

ここで重要なのは、

「身体に必要だから、多ければ多いほどいい」わけではない

ということです。

亜鉛サプリを飲めばいい?

食生活によっては、サプリメントを検討することもあるでしょう。

しかし、私は最初から、

「とりあえず亜鉛サプリを飲みましょう」

とは考えていません。

まず、

「普段どんな食事をしているのか?」

「本当に不足している可能性があるのか?」

「ほかの栄養素とのバランスはどうなのか?」

を考えることが大切です。

亜鉛を長期間過剰に摂取すると、銅の吸収を妨げるなどの問題につながる可能性もあります。

ですから、特に高用量のサプリメントを自己判断で長期間続けることには注意が必要です。

「亜鉛不足かも」と思ったらどうする?

食事を振り返ることは大切ですが、症状がある場合には、亜鉛だけで自己判断しないでください。

特に、

味覚の変化が続く、食欲低下が強い、原因の分からない皮膚症状や脱毛が続く、体調不良が長引く

といった場合には、医療機関への相談も検討しましょう。

亜鉛欠乏症は「なんとなく不足している気がする」だけで診断するものではありません。日本臨床栄養学会には亜鉛欠乏症の診療指針があります。

はればれ鍼灸整骨院が栄養まで考える理由

「整骨院なのに、どうして栄養の話をするの?」

と思う方もいるかもしれません。

私は2009年に船堀で開院して以来、多くの患者さんの身体と向き合ってきました。

そして臨床経験を積むほど、

身体は筋肉や関節だけでは説明できない

と感じています。

例えば同じ肩こりでも、

よく眠れている人と眠れていない人。

しっかり食事を摂れている人と、食事が偏っている人。

適度に身体を動かしている人と、ほとんど運動していない人。

身体を取り巻く環境は、一人ひとり違います。

だから、はればれ鍼灸整骨院では痛い場所だけを見るのではなく、必要に応じて鍼灸・整体・物理療法・運動・栄養・睡眠などを含めて身体を考えることを大切にしています。

亜鉛もその中の一つです。

亜鉛だけですべてが解決するわけではありません。
でも、身体をつくる栄養を無視して、身体全体の健康を考えることもできません。

この両方の視点を持つことが大切だと私は考えています。

臨床26年。それでも学び続ける理由

私は臨床に携わって26年になります。

それでも今、鍼灸や整体だけではなく、神経、物理療法、睡眠、栄養、運動などについて学び続けています。

それは、

「今ある症状を楽にする」だけではなく、その方がこれから先もできるだけ良い状態で人生を過ごすために、もっとできることがあるのではないか

と考えているからです。

私が目指しているのは、患者さんの**「一生の健康を守る」**こと。

必要な医療は医療機関へ。

私たちにできることは、治療院として丁寧に。

そして、患者さん自身にも自分の身体について少しずつ理解していただく。

その積み重ねを大切にしています。

よくある質問

Q. 亜鉛を摂れば疲労は改善しますか?

亜鉛不足が関係しているケースは考えられますが、疲労の原因は非常に多いため、「亜鉛を摂れば疲労が改善する」とは一概に言えません。睡眠、食事、運動、ストレス、疾患なども含めて考える必要があります。

Q. 亜鉛サプリは毎日飲んでも大丈夫ですか?

製品によって含有量が異なります。食事からの摂取量も含め、過剰摂取にならないよう注意が必要です。高用量を長期間摂る場合などは、医師・薬剤師等への相談をおすすめします。

Q. 亜鉛不足は血液検査で分かりますか?

医療機関では症状や血清亜鉛値などを総合して判断します。「症状があるから亜鉛不足」と自己判断せず、気になる場合は医療機関に相談してください。

まとめ|身体を整えるなら「一つだけ」を見ない

亜鉛は、

味覚、皮膚や粘膜、成長、免疫、生殖など、身体のさまざまな働きを支える必須ミネラルです。

不足しないことは大切です。

しかし、

「調子が悪いから、とりあえず亜鉛」

ではありません。

食事はどうか。

睡眠はどうか。

運動できているか。

身体にはどんな負担がかかっているか。

そして筋肉・関節・神経の状態はどうか。

一つだけを見るのではなく、身体全体を見る。

これが、代表・丸山が長年の臨床を通じて大切にしている考え方です。

江戸川区船堀のはればれ鍼灸整骨院では、身体の痛みや不調について、「どこが痛いか」だけでなく、必要に応じて生活習慣や睡眠、栄養、運動なども含めて一緒に考えています。

「最近どうも調子が整わない」
「身体全体を一度見直してみたい」

という方も、お気軽にご相談ください。

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