赤ちゃんの斜頭症とは?頭の左右差が気になるときに知っておきたいこと
2026年08月31日

赤ちゃんの頭を上から見たとき、
「右側だけ平らに見える」
「左右で頭の丸みが違う」
「耳の位置が少しずれている気がする」
「いつも同じ方向ばかり向いている」
そんなことに気づいて、心配になったことはありませんか?
写真を撮ったときや、お風呂上がりに髪が濡れたとき、抱っこして後ろから頭を見たときなどに、
「もしかして、うちの子の頭は左右差が大きい?」
と気づく保護者の方もいらっしゃいます。
インターネットで調べると、
「斜頭症」
「向き癖」
「ヘルメット治療」
「自然に治る」
など、さまざまな情報が出てきます。
情報が多いからこそ、
「様子を見ていいの?」
「病院に行った方がいい?」
「今からできることはある?」
と、かえって迷ってしまうかもしれません。
この記事では、赤ちゃんの斜頭症について、まず知っておきたい基礎知識から、家庭で確認したいポイント、医療機関へ相談したい場合、そして当院で赤ちゃんを見る際に大切にしている考え方までお伝えします。
赤ちゃんの「斜頭症」とは?
斜頭症とは、赤ちゃんの頭を上から見たときなどに、左右非対称な形がみられる状態を指します。
特に多いのが、寝る姿勢や向き癖などの影響を受ける位置的・変形性斜頭です。
位置的な斜頭では、後頭部の片側が平らになるだけでなく、その程度によっては、
- 左右の後頭部の丸みに差がある
- 耳の位置に左右差があるように見える
- 額の出方に左右差がある
- 顔にも左右差があるように見える
といった特徴がみられる場合があります。
AAPも、位置的斜頭では片側の後頭部の平坦化に加えて、同じ側の耳が前方へ移動したり、額が前方へ出て見えたりする場合があると説明しています。
ただし、見た目だけで原因を自己判断することはおすすめできません。
頭の形が気になる場合には、位置的な変形だけでなく、医療機関で確認した方がよいケースとの区別も大切だからです。
「斜頭」と「絶壁」は同じもの?
似ていますが、頭の形の特徴が少し違います。
一般的に、
斜頭(plagiocephaly)
→ 後頭部の片側が平らになり、左右非対称に見える
短頭・いわゆる絶壁(brachycephaly)
→ 後頭部が比較的左右均等に平らで、頭が横に広く見える
という違いがあります。
ただし実際には、
絶壁+左右差
のように、両方の特徴が重なっている赤ちゃんもいます。AAPでも、位置的頭蓋変形には変形性斜頭と変形性短頭、その組み合わせがあると説明されています。
あわせて読みたい
→「赤ちゃんの絶壁は自然に治る?様子を見る目安と相談のタイミング」
なぜ赤ちゃんの頭に左右差ができるの?
赤ちゃんの頭蓋骨は、大人とは違います。
成長する脳に合わせられるよう、頭蓋骨はいくつかの骨に分かれており、乳児期の頭は形が変化しやすい特徴があります。
そのため、同じ部分に圧がかかる時間が長くなると、頭の形に影響することがあります。
① いつも同じ方向を向いている
例えば、
「寝かせると必ず右を向く」
「左を向かせても、すぐ右に戻る」
という向き癖がある場合です。
同じ方向を向いて過ごす時間が長くなると、後頭部の同じ場所に圧が加わりやすくなります。
実際、位置的斜頭は一方向への頭位の偏りや斜頸などと関連することがあります。
あわせて読みたい
→「赤ちゃんの向き癖はなぜ起こる?頭の形との関係と家庭でできる工夫」
② 首の動きに左右差がある
「右は向けるのに左は向きにくそう」
「いつも首が同じ方向に傾いている」
といった場合には、単なる好みだけでなく、首の動きや斜頸などが関係していることがあります。
AAPでも、斜頸がある赤ちゃんでは理学療法などが必要になる場合があるとしています。
無理に首を反対方向へ動かすのではなく、気になる場合は小児科などで一度確認してもらいましょう。
③ 仰向けで過ごす時間が長い
赤ちゃんは寝ている時間が長いため、後頭部に圧がかかる時間も長くなります。
ただし、ここで非常に大切なことがあります。
頭の形が気になっても、睡眠時は仰向けが基本です
「右が平らだから左向きで寝かせよう」
「絶壁にならないよう、うつ伏せで寝かせよう」
とは考えないでください。
安全な睡眠のため、乳児は仰向けで寝かせることが推奨されています。 頭の形を理由に、安全な睡眠環境を変えるべきではありません。
家庭では頭のどこを見ればいい?
頭の形が気になると、後頭部の平らなところだけを見てしまいがちです。
ですが、左右差を見るときには少し視点を広げてみましょう。
例えば、
頭を上から見る
左右の後頭部の丸みを見ます。
片側だけ平らになっていないでしょうか。
耳の位置を見る
左右の耳の位置が同じように見えるか確認します。
おでこを見る
左右で額の出方に違いがないか見てみます。
向く方向を見る
いつも右・左のどちらか一方ばかり向いていないか確認します。
首の動きを見る
左右どちらにも自然に顔を向けられているか見てみます。
AAPでも位置的斜頭の評価では、頭を上から見た形、耳や頬骨などの位置を確認することが重要とされています。
ただし、
家庭で「軽度・中等度・重度」と診断する必要はありません。
「左右差が気になる」という段階で相談して大丈夫です。
斜頭症は自然に治る?
ここは保護者の方から非常によく聞かれるところです。
位置的な頭の変形は、成長して首を自分で動かしたり、座ったりして、同じ場所に圧がかかる時間が減ってくるにつれて、改善していく場合があります。
AAPも、多くの位置的頭蓋変形では、赤ちゃんの成長や活動性の増加に伴って改善することがあると説明しています。
ただし、
「放っておけば必ず丸くなる」
という意味ではありません。
左右差の程度や月齢、向き癖、首の動きなどによって状況は異なります。
だからこそ、
「自然に治るかどうか」
だけを考えるより、
今どの程度気になっていて、今できることは何か
を確認することが大切です。
家庭でできることは?
起きている時間のタミータイム
赤ちゃんが起きていて、大人が見守っている時間にうつ伏せで過ごす「タミータイム」は、後頭部への圧がかかり続ける時間を減らすことや、首・肩などの運動発達にも役立ちます。AAPも、覚醒時・監視下でのタミータイムを推奨しています。
最初から長時間行う必要はありません。
赤ちゃんの様子を見ながら、短い時間から始めましょう。
抱っこ・授乳の向きを偏らせない
いつも同じ腕で抱く、同じ方向から授乳する、といった偏りがあれば、ときどき反対側も取り入れてみます。
興味を向ける方向を変えてみる
声をかける方向やおもちゃの位置などを工夫して、いつもとは反対側にも自然に興味を向けられる環境を作ります。
ただし、首が動きにくそうな場合は、無理に動かさないでください。
「頭の形を整える枕」は使った方がいい?
ここは明確にしておきたいところです。
睡眠中に頭の形を整える目的で枕やポジショナーを使用することはおすすめしません。
AAPは、いわゆる頭の形を整える枕について、安全な睡眠環境を損ない、窒息リスクにつながる可能性があり、頭蓋変形に有効である根拠もないと説明しています。
頭の形よりも、まず安全な睡眠を優先してください。
病院へ相談した方がいい頭の形もあります
赤ちゃんの頭の左右差の多くは位置的なものですが、すべてではありません。
まれに、頭蓋骨のつなぎ目である「頭蓋縫合」が通常より早く閉じてしまう頭蓋縫合早期癒合症などがあります。
これは位置的な斜頭とは対応が異なり、専門的な医療評価が必要です。
そのため、
- 生まれた直後から頭の形がかなり気になる
- 頭の形の左右差が強くなっている
- 頭の成長について指摘を受けた
- 首が一方向にしか動きにくそう
- 顔の左右差も強く気になる
- 頭の形について小児科や健診で指摘された
などの場合には、まず小児科などの医療機関へ相談してください。
「整体で様子を見てから病院へ」ではなく、必要な場合は医療機関での評価を先にする。
これが当院の基本的な考え方です。
ヘルメット治療が必要なの?
これもよくいただく質問です。
すべての斜頭でヘルメット治療が必要になるわけではありません。
AAPの保護者向け情報では、位置の工夫や理学療法などを行っても改善しにくい中等度〜重度の位置的頭蓋変形では、月齢などを考慮してヘルメット治療が検討される場合があるとしています。
一方で、程度や月齢によって対応は異なります。
ですから、
「整体かヘルメットか」
という二者択一で考える必要はありません。
まず頭の状態を適切に評価してもらい、そのうえで必要な選択肢を考えることが大切です。
はればれでは「頭の形だけ」を見ません
ここが、当院が赤ちゃんの頭の形を見るときに大切にしている部分です。
頭の左右差が気になる場合でも、
頭だけを見て終わりにはしません。
例えば、
- いつもどちらを向いているか
- 左右どちらにも首を向けられるか
- 首や身体の動きに偏りがないか
- 抱っこの姿勢
- 寝ているときの向き
- 背中や身体全体の動き
- 日中どのように過ごしているか
などを確認します。
なぜなら、
「右後頭部が平らだから右後頭部だけを何とかする」
という考え方では、赤ちゃんがなぜいつもその方向を向いているのかまでは分からないからです。
赤ちゃんに強い力を加える施術は行いません
「赤ちゃんの整体」と聞くと、
「頭を強く押されない?」
「骨を矯正するの?」
と心配される保護者の方もいると思います。
当院では、赤ちゃんの頭蓋骨を強い力で押したり、
「頭蓋骨を矯正して丸くする」
ことを目的とした強い施術は行いません。
赤ちゃんの身体の状態や動きを確認しながら、やさしい刺激を基本に身体づくりをサポートするという考え方です。
そして、医療機関での評価が必要と考えられる場合には、そちらを優先します。
「もう少し様子を見よう」と迷っている方へ
赤ちゃんの頭の形について相談される保護者の方から、
「こんなことで相談していいのかな」
「まだ小さいから様子を見た方がいいのかな」
という声を聞くことがあります。
もちろん、成長とともに変化していく頭の形もあります。
一方で、乳児期は頭や身体が大きく成長する時期でもあります。
だからこそ、
「治療が必要かどうかを自分で決めてから相談する」必要はありません。
「右と左で少し違う気がする」
「いつも同じ方向を向いている」
「写真を見ると左右差が気になる」
その段階で、まず相談してみるという選択肢があります。
必要であれば医療機関への相談を優先し、そうでなければ家庭でできることや日常生活での工夫を一緒に整理していく。
保護者の方が「今、何をすればいいのか分からない」という状態を減らすことも、大切なサポートの一つだと考えています。
まとめ|頭の形だけでなく「なぜ左右差が出ているのか」を考える
赤ちゃんの斜頭症では、後頭部の片側が平らになり、頭の左右差が目立つことがあります。
その背景には、
向き癖
首の動き
寝ている姿勢
抱っこや授乳
日中の過ごし方
など、さまざまな要素が関係する場合があります。
だからこそ、
「頭が平らだから、そこだけを何とかする」
ではなく、
頭+首+背中+姿勢+身体の左右差+生活環境
まで含めて考えていく。
これが、はればれ鍼灸整骨院が赤ちゃんの頭の形について大切にしている考え方です。
そして、医療機関での確認が必要な頭の形を見逃さないことも同じくらい重要です。
「うちの子は様子を見ていて大丈夫?」
「向き癖と頭の左右差が気になる」
そんな疑問がありましたら、一度ご相談ください。
赤ちゃんの頭の形、「このままで大丈夫かな?」と悩んでいませんか?
あわせて読みたい|赤ちゃんの頭の形について






