マミーブレインと睡眠不足|産後に頭がぼんやりする理由
2026年09月4日

「寝たはずなのに、朝から頭がぼんやりする」
「赤ちゃんの夜泣きで何度も起きている」
「人と話していても言葉がすぐに出てこない」
「簡単なことなのに判断するのに時間がかかる」
「以前なら普通にできたことに集中できない」
産後、このような変化を感じていませんか?
「これがマミーブレインなのかな?」
と思う方もいるでしょう。
でも、ここで一つ振り返ってほしいことがあります。
昨日、何時間眠ったかではありません。
その睡眠は、何回中断されましたか?
授乳、ミルク、夜泣き、おむつ交換。
赤ちゃんが生まれると、お母さんの睡眠は「短くなる」だけではなく、細切れになりやすくなります。
そして、この「細切れ睡眠」は産後のお母さんを考えるうえで大切なポイントです。
今回は、マミーブレインの総論ではなく、「睡眠」という一つの視点から産後の頭のぼんやり感を考えてみましょう。
「6〜7時間寝ているから大丈夫」とは限りません
産後のお母さんから、
「合計すると6時間くらいは寝ています」
と聞くことがあります。
ところが、詳しく聞くと、
23時に寝る
↓
1時に授乳
↓
3時に夜泣き
↓
4時半におむつ
↓
6時に起床……
ということがあります。
合計時間だけを見ると、ある程度眠れているように見えるかもしれません。
しかし、まとまって眠った6時間と、何度も中断された6時間は同じではありません。
実際、産後2〜16週のお母さんを腕時計型機器で測定した研究では、夜間の総睡眠時間は平均約7.2時間でした。
ところが産後早期は睡眠が非常に細切れで、睡眠効率も低い状態でした。
つまり、
「何時間寝た?」だけでは、産後の睡眠状態を十分に表せない
ということです。
産後はなぜ「頭がぼんやり」しやすいの?
ここで、
睡眠不足=マミーブレインの原因
と決めつけるのは正確ではありません。
2026年に発表されたシステマティックレビューでは、妊娠・周産期の女性16,563人を含む33研究が検討されました。
睡眠状態の悪さと、気分や感情調整、心配・反すうなどとの関連は比較的一貫して確認されました。
一方で、
記憶・認知抑制などの「認知機能」については研究結果が混在しています。
したがって、
「睡眠不足だからマミーブレインになった」
とは断定できません。
しかし、産後の「頭が働きにくい」と感じる状態を考えるときに、睡眠を無視することもできないのです。
注目したいのは「睡眠時間」より細切れ睡眠
ここがこの記事で最も伝えたいところです。
産後のお母さん70人を12週間追跡した研究があります。
研究では腕時計型の機器で睡眠を測定し、毎朝、注意力や反応速度などを調べました。
その結果、産後のお母さんの神経行動パフォーマンスには低下がみられ、総睡眠時間よりも睡眠がどの程度途切れているかを表す指標との関連が多く確認されました。
研究者らは、睡眠の中断が積み重なる影響について指摘しています。
もちろん一つの研究ですから、
「夜中に起きる=必ず認知機能が低下する」
という意味ではありません。
しかし、
「私は6時間寝ているのに、どうしてこんなに頭が働かないんだろう?」
と自分を責めているお母さんにとっては、とても重要な視点です。
見るべきなのは睡眠時間だけではありません。
産後の睡眠は「時間・中断・規則性」で考える
はればれ鍼灸整骨院では、産後の睡眠を考えるとき、
① 睡眠時間
何時間くらい眠れているか。
② 中途覚醒
赤ちゃんのお世話などで何回起きているか。
③ 起床時の感覚
朝起きたとき「少し休めた」と感じられるか。
④ 睡眠の規則性
就寝・起床するタイミングが毎日大きく変動していないか。
というように、時間だけで判断しないことをおすすめしています。
実際、産後2〜13週を調べた研究では、睡眠時間だけではなく、睡眠時間帯がより早く、安定していた女性ほど日中の注意・反応課題の成績が良い傾向が報告されています。
「赤ちゃんがいるのに、睡眠を改善しろ」は無理があります
ここは非常に大切です。
「睡眠不足がよくありません」
「毎日7〜8時間寝ましょう」
「夜はスマホを見ないようにしましょう」
これだけ言われても、
赤ちゃんが泣けば、お母さんは起きます。
だから産後の睡眠対策は、
「頑張って寝る」ではなく、「どうすればお母さんの負担を少し減らせるか」
から考えた方が現実的です。
今日から考えたい「産後の睡眠」5つの工夫
① まず3日間「何回起きたか」だけ記録する
睡眠時間を細かく計算しなくても構いません。
朝起きたら、
昨夜は何回起きたか
だけ記録してみてください。
たとえば、
月曜日:4回
火曜日:5回
水曜日:3回
これだけでも、
「私は寝ていないわけではなく、こんなに何度も睡眠を中断されていたんだ」
と気づくことがあります。
自分の努力不足ではなく、生活状況を客観的に見るための記録です。
② 「全部自分が起きる」を見直す
授乳など、お母さんでなければ難しいこともあります。
でも、
おむつ交換、寝かしつけ、ミルク、朝の家事、上のお子さんのお世話など、
本当にすべてをお母さん一人で担当しなければならないでしょうか。
パートナーや家族と、
「手伝ってほしい」
ではなく、
「この時間帯はあなたの担当」
まで具体的に決める方法もあります。
睡眠対策を「お母さん自身の努力」にしないことが大切です。
③ 休めるときは「家事」より「休息」を選ぶ日を作る
赤ちゃんが寝た。
「今のうちに洗濯しなきゃ」
「食器を洗わなきゃ」
「部屋を片づけなきゃ」
となりがちです。
もちろん生活には家事も必要です。
でも、
毎回その時間を家事に使う必要はありません。
一日のどこか一回だけでも、
「赤ちゃんが寝たら、今日は私も休む」
と決めてみる。
100点の家事より、今のお母さんには休息が必要な日もあります。
④ 朝の光と無理のない活動を意識する
産後の経過に問題がなく、医師から活動を制限されていなければ、朝にカーテンを開けたり、日中に無理のない範囲で外へ出たりすることも生活リズムを整える一つの方法です。
運動も「トレーニングをしなければ」と考える必要はありません。
体調に合わせた短い散歩などからで十分です。
ただし産後の回復状況には個人差がありますので、無理をしないことが前提です。
⑤ 「眠れない」と「眠る時間がない」を分ける
この2つは似ていますが、違います。
赤ちゃんのお世話で眠る時間が取れない。
これは睡眠機会の不足です。
一方、
赤ちゃんは寝ている。
家事も終わった。
自分も疲れている。
なのに、
眠れない。
あるいは強い不安や考え事でほとんど眠れない。
これは別の問題が隠れている可能性があります。
「産後だから当然」と決めつけないことが大切です。
眠れる状況なのに眠れない場合は我慢しない
特に、
- 赤ちゃんが寝ても自分は眠れない
- 強い不安や焦りがある
- 気分の落ち込みが続く
- 今まで楽しめていたことが楽しめない
- 常に頭の中で考え続けてしまう
- 日常生活や育児への影響が大きい
という場合は、
「マミーブレインだから」
「子育て中だから寝不足は当たり前」
と我慢せず、産婦人科やかかりつけ医などへ相談してください。
2025年のシステマティックレビュー・メタ解析では、産後の睡眠介入は抑うつ症状の重症度を小さく軽減することと関連していました。睡眠と産後の心身の健康が切り離せないテーマであることが分かります。
「頭がぼんやりする=睡眠不足」とも限りません
もう一つ重要なことがあります。
産後の物忘れや頭のぼんやり感を、
何でも睡眠不足のせいにしないこと。
です。
「物忘れが非常にひどくなった」
「日常生活に支障が出ている」
「どんどん悪化している」
「気分の落ち込みや強い不安もある」
「身体にも気になる変化がある」
という場合には、他の要因も含めた評価が必要です。
この判断については別記事、
「産後の物忘れがひどい…マミーブレインだけ?受診目安とセルフチェック」
で詳しく解説します。
では、鍼灸・整体で睡眠やマミーブレインは改善する?
ここは、はればれ鍼灸整骨院として大切にしたいところです。
当院では、
「鍼灸・整体でマミーブレインを治します」
とはお伝えしていません。
また、
「自律神経を整えれば眠れる」
と単純に説明することもしません。
産後のお母さんが眠れない理由は、
赤ちゃんのお世話、睡眠の中断、生活リズム、身体の痛み、心理的な負担など、人によって違うからです。
私たちが産後のお母さんにできること
一方で、産後のお母さんから、
「抱っこで首と肩がつらくて、横になっても楽じゃない」
「腰が痛くて寝返りがつらい」
「背中がずっと張っている」
「身体が疲れているのに休めない」
というご相談を受けることがあります。
これは治療院が関われる部分です。
はればれ鍼灸整骨院では、マミーブレインそのものではなく、
首肩こり・腰痛・背中の張りなど、産後のお身体の悩みを評価し、その方に必要な身体のケアを考えます。
そして睡眠についても、
「何時間寝ていますか?」
だけではなく、
何回起きる?
朝は休めた感じがある?
痛くて目が覚めることはない?
日中の身体の状態は?
など、生活全体を伺います。
必要に応じて、施術、身体の使い方、セルフケア、無理のない運動などをご提案します。
医療機関への相談が必要と思われる場合には、受診を優先していただきます。
「眠れていない自分が悪い」と思わないでください
産後のお母さんに、
「睡眠をちゃんと取ってください」
と言うのは簡単です。
でも実際には、
眠りたいのに、赤ちゃんのために起きている。
という方がたくさんいます。
だから大切なのは、
「もっと頑張って寝よう」
ではなく、
「今の生活の中で、お母さんの負担を一つだけ減らせないか?」
と考えることだと思います。
これは睡眠だけの問題ではありません。
身体の痛み、家事、育児、仕事復帰、食事。
一つ一つは小さくても、重なれば大きな負担になります。
よくある質問
Q1. マミーブレインは睡眠不足が原因ですか?
睡眠不足だけが原因とは言えません。2026年のシステマティックレビューでも、周産期の睡眠と認知機能との関係については研究結果が混在しています。一方、睡眠と感情・気分などとの関連は比較的一貫して報告されています。
Q2. 何時間寝ればマミーブレインは改善しますか?
「○時間眠れば改善する」という基準はありません。また産後は総睡眠時間だけでなく、夜間に何度起きているかという睡眠の中断も重要です。
Q3. 赤ちゃんがいるので睡眠時間を増やせません。
睡眠時間だけを目標にする必要はありません。家族との役割分担、休息時間、睡眠の中断回数など、「今の生活で変えられるところ」を探していく方が現実的です。
Q4. 赤ちゃんが寝ても自分が眠れません。
強い不安、気分の落ち込みなどを伴う場合や、眠れない状態が続いて日常生活に影響している場合には、産婦人科やかかりつけ医などへ相談してください。
Q5. 鍼灸や整体で睡眠不足は治りますか?
赤ちゃんのお世話による睡眠不足そのものを鍼灸や整体で解決することはできません。当院では産後の首肩こりや腰痛など、休息の妨げにもなり得る身体のお悩みを中心にサポートしています。
まとめ|産後の睡眠は「何時間?」だけで考えない
産後、
「頭がぼんやりする」
「集中できない」
「忘れっぽくなった」
と感じたとき、
睡眠は一度振り返ってほしいポイントです。
ただし、
睡眠不足=マミーブレイン
と単純に決めつけることはできません。
見るポイントは、
①何時間眠れたか
②何回起きたか
③朝、休めた感じがあるか
④睡眠時間帯が大きく乱れていないか
です。
そして、
「もっと寝なきゃ」とお母さん一人の努力にしないこと。
これも非常に大切です。
江戸川区船堀で産後のお身体にお悩みの方へ
赤ちゃんを大切にする毎日の中で、
お母さん自身の身体は後回しになっていませんか?
はればれ鍼灸整骨院では、
「マミーブレインを治す」のではなく、
産後の首肩こり・腰痛・背中の張りなどのお身体の悩みを確認し、少しでも過ごしやすい身体づくりをサポートします。
「身体がつらくて休めない」
「抱っこで首・肩・腰が限界」
「産後、自分の身体を一度ちゃんと見てほしい」
そんなときは、お身体についてご相談ください。
船堀駅徒歩2分
はればれ鍼灸整骨院
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