［船堀で頚椎後縦靱帯骨化症でお悩みの方へ］
2022年09月15日
頚椎後縦靱帯骨化症とは？
頚椎後縦靱帯骨化症は背骨の椎骨どうしをつなぐ後縦靱帯が骨化（硬く肥厚すること）して脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫される病気です。頚椎だけでなく胸椎や腰椎に発症することもありますが、頚椎に好発する特徴があります。頚椎で発症した場合、専門的には頚椎後縦靱帯骨化症と診断されます。なぜ靱帯が厚く肥厚するのかについては、まだ十分に解明されていません。そのため、重度の後縦靱帯骨化症は、国から難病に指定されています。
後縦靱帯はどこにあるの？
椎骨どうしは、「後縦靱帯」、「前縦靱帯」、「黄色靱帯」という３種類の靱帯によって、しっかりと繋がれています。後縦靱帯は椎体の後側を支え、前縦靱帯は椎体の前側を支え、黄色靱帯は椎弓（背骨の後方部分）どうしをつないでいます。このうち、後縦靱帯は脊髄と同じ脊柱管の中に収まっています。そのためこの靱帯が骨化して厚くなると脊柱管が狭くなり、脊髄が強く圧迫されるというわけです。
どのような症状が出るの？
首の可動域(動く範囲)が狭くなります。靱帯の骨化は加齢とともに徐々に進行するため、首の可動域の制限も高齢になると目立ってきます。初期の頃はほとんど自覚症状がありません。しかし、転倒などによる首への衝撃がきっかけとなり、一気にマヒが出現、あるいは症状が悪化することがあります。悪化すると、首や手足の痛みやしびれが現れるほか、手や指先の感覚が鈍くなる感覚障害や手の指を動かしにくくなる運動障害が起こって、箸やペンを使うことが困難になります。さらに進行すると、足がマヒして歩きにくくなる歩行障害や自力で排尿・排便することが難しくなる排泄障害を招くこともあります。
衝撃などがなく、徐々に骨化が進む場合は、首の痛みや首こり、手の痺れなどが最初に現れ、次第に重症化していきます。
症状の特徴は？
上を向く、あるいは下を向くと首や手足の痛み・しびれが強くなることです。初期のうちは当院でも症状が軽快します。
しかし重症化し手足の麻痺や排泄障害が現れた場合は、後方から脊柱管を広げて脊髄の圧迫をゆるめる「脊柱管拡大術」や、前方から後縦靱帯を取り除いて椎骨を固定する「頚椎前方除圧固定術」などの手術を検討することになります。
一般的な治療法は？
この症状は7つの椎骨を繋ぐ後縦靱帯が骨化して、主に脊髄を強く圧迫する病気です。今のところ、骨化した靱帯をもとの柔軟な繊維組織に戻したり、靱帯の骨化を予防したりする治療法はありません。そのため、頚椎症と同じような保存療法（当院でも行っています）がまずは選択されます。重度の症状では手術も検討されます。
頚椎後縦靱帯骨化症の日頃のケアは？
ストレッチやゴムハンマーなどで首肩周りや体を柔らかくするのを忘れずにしてみてください。頚椎症の改善や進行を遅らせるケアになります。
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