患者はゴルフを始めたばかりの初心者で、週５日の練習を行っていた。ある日ゴルフの打ちっぱなしでフルスイングをした際に歯を食いしばり右顎を負傷。翌日より右顎だけでなく、右頸部にも痛みを感じるようになった。

初診　開口制限があり大きく口を開くことが出来ない状態。右頸部と右肩部の筋緊張が強い。特に胸鎖乳突筋と斜角筋群の緊張が目立った。頸部と肩部には手技療法を、右顎関節には超音波治療を行った。

第２診　頸部の痛みは消失したが、開口制限は残存していた。

第３診　開口制限が残存しているため、首矯正を取り入れ胸鎖乳突筋と斜角筋群の緊張緩和を図った。

第４診　開口制限はなくなり、練習再開を許可。再発防止のために練習前日に首肩矯正を行い可動域を広げてから打ちっ放しに行くように対策した。また、練習量が多い傾向にあるので打ちっ放しは週３回までにした。

第５～９診　整体に首肩矯正を組み合わせた施術を継続し、再発なくゴルフを続けることが出来ているため治癒とした。

頚肩腕の筋緊張は顎関節に影響を与えるケースは多い。特にゴルフを始めたばかりの初心者は適切なフォームが身についておらず、余計な力みが生じスポーツ障害が発生しやすい。

本症例は、もともと顎関節に構造的な問題のない外傷性の顎関節捻挫であったが、心因性や変形と伴う症例の場合は、小顔矯正などのアプローチも必要になると思われる。

肩甲骨はがし、超音波